TPP交渉参加の問題については、最終的に「交渉参加に向けて関係国と協議に入る。」という微妙な言い回しの結論となった。
参加の方向は変わらなかったが、これだけ大きな問題として印象づけることができたことで、軽率に進めることはできなくなったように思う。
農業者としては、今後の進み具合を注視しつつ、行動を考えていく必要があるだろう。
ところで、
今回の論点として、商工業(経済発展、グローバル化)vs農業、医療(その他国内産業の保護)的な話があると思う。
野田さんも、「貿易立国として繁栄を築いた我が国の発展には、アジア太平洋地域の成長力を取り入れなければならない」と言っている。
この話、一見正しいように見えるけれど、ほんとうにそうなのだろうか?
昔、日本も農業者の人口が多く、自給自足できることが多かった。
自分の家でできなくても、ある程度の地域内では自給できていた。
今で言う地産地消である。
そのうち工業が発展し、人は農業をしなくてもほかの仕事でお金を稼ぎ、もの食べられるようになった。
流通も発展し、どこにいても日本中のものが手に入るようになった。
貿易も発展し、海外のものも手に入るようになった。
貿易によって日本はお金持ちになり、豊かになった。。。豊かになった?
確かにお金持ちにはなったが、ほんとうに豊かになったのだろうか?
何故かはわからぬが、豊かになったはずのこの国には、鬱になる人が蔓延し、毎年の自殺者は3万人を越える。
ほんとうの豊かさとはなんだろう?
ブータンという国がある。
いわば経済的には「貧しい国」と言える。
が、この国には、豊かさを表す指標としてGDPやGNPではないGNH(Gross National Happiness=国民総幸福量)という考え方があるという。
→
http://www.japanfs.org/ja/pages/029621.html
いつしか我々は、豊かさ=経済的な豊かさ=お金、で測るようになってしまっている。
しかしGNHでは、豊かさ=幸せ、で測っている。
とはいっても、「幸せ」は人に寄って違うだろうし、定量的に測るのは難しいだろうが。
個人的には、豊かさ=経済的な豊かさ=お金、という考え方には違和感を感じる。
一般的には、経済発展やグローバル化は、正しいと思われがちである。
でも、もしかすると、それは違うんじゃないかなとも思う。
いつか、ブータンに行ってみたいものだ。
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