裏磐梯のペンションにて(2012福島-栄村の旅)

旅の二日目の宿は裏磐梯の小洒落たペンション。

っていうか、ペンションっていうのはだいたい洒落てますかな。。。

ペンション ヴァンブラン


なぜこのペンションにしたのかというと、宿泊プランの中に「ひとり旅プラン」というプランが設定されていたからだ。
ひとりでも泊めてくれるペンションは他にもあるが、あえてそれを専用にプラン設定してくれているところが、おひとり様としては心強い。

また、このプランにはフランス料理のコースが中に入っている。
別料金ではあるが料理に合わせたおすすめのワインもつく。

普段「お」フランス料理のコースなど、結婚式以外で食ったことがないオレは、これもまた良い機会だろうと思ったわけである。

で、実際泊ってみると、、、

これが大正解。(^◇^)

女子でも喜びそうなオサレ感満載の部屋


入り口から入ったところにあるレストランスペースもステキ


まず平日ということもあり、ほとんど貸し切り状態。
名物のひとつである、貸し切り露天風呂だけは残念ながら水道の凍結により使えなかったが、それを差し引いても余りある満足度。

自慢のフランス料理におすすめのワインをつけたコースは、この上ない贅沢な気分に浸れた。

メインは黒毛和牛のステーキ!


料理にワインが良く合う


夜9時から10時までバータイムという時間が設定されていたので、「お酒が飲めるんですか?」と聞くと、「よろしければぜひ。」とオーナー。

9時になり遠慮なく行ってみるとオーナーが待っていてくれて、ビールや日本酒を飲みながら二人で色々と話をすることができた。

ペンションのオーナーは博学で、会津の歴史の話や地質的な話(農業との関係)の他、スキーの話や震災の話など。

(歴史の話などは個人的にかなり好きな話だが、マニアックになるのでここでは飛ばすとして、、、)

3.11の震災時、この辺りでも揺れはしたがそれほど大きな被害にはならなかったとのこと。ただ問題はそれ以降の原発による風評被害だったようだ。
会津というのは歴史のある街で、数多くの中学高校から修学旅行先として親しまれていたが、これがパタリと来なくなった。昨年のGWには、観光客自体がほとんど来なくなってしまったとのこと。
それでも、ようやく最近になって、少しずつ観光客が戻りつつあると言っていた。

これだけ歴史的に興味深い土地に人が来ないということは残念なことだと思う。
ぜひ、早く復活してもらいたいものだ。

あまりに色々な話が面白く、気付くと時間が10時半を過ぎていた。

ということで、

ペンションでの「おひとり様一泊」の夜は、とても充実したものとなったのであった。

ぜひまた機会を見つけて泊りに行きたいところである。

(つづく)


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Posted by たれ. at 2012年02月07日22:24

浜通りから会津地方へ(2012福島-栄村の旅)

2012福島-栄村の旅2日目。
この日はいわきの旅館を出発し夕方までに裏磐梯のペンションに着けば良く、その間の予定は特に決めていない。

そこで、持参したるるぶで適当な日帰り温泉を調べると「かわうちの湯」というところがある。

早速ナビに打ち込み出発。

ところが、、、

幹線道路から山道に入り車線がなくなった。
徐々に雪がちらほらと見えるようになり、道も細くなっていった。
いったいどこまで連れて行かれるのかと思っていると、そのうち車が1台通るのがやっとの細い坂道、しかもつるつるの雪道へと連れて行かれた。
雪はどんどんと深くなり、ただとりあえず車が通れるだけの雪はかかれていたのでよかったが、現地につくまでの最後の数十分はドキドキもんであった。

そんな思いまでして現地にたどり着いてみると・・・

アレ?

何か工事用の車っぽい車しか停まってないんだけど。。。

もしかして、工事中?

ということで、
結局すごすごと帰ることにしたのであった。(-_-;)

(帰ってからネットで調べてみると、この日普通に営業していたかもしれないようである。ただ、外から見た感じ完全に工事中のように見え、客っぽい車は停まっていなかった。)

そのときはよくわからず行ったのだが、この施設のある福島県川内村は、原発問題でほとんどの村民が避難していて、オレが旅から帰った後に村長が帰村宣言を行った村であった。
かなりの山奥で、自然も空気もキレイに思えるのだが、良く調べてみると警戒区域のラインのすぐ外側で、避難しなくてはいけないというのは切ないものである。


予定が予定通りいかない旅には慣れているが、しかし、ゆっくりできる旅でもないので、次の目的地は一気に会津若松を目指そうと決めた。

細くて滑る道をなんとか降りて、磐越道へ。

高速に乗ったあとは順調で、会津若松で鶴ヶ城(若松城)を見学し、喜多方へ行ってラーメンを食い、夕方には裏磐梯のペンションへと着いたのであった。

ちなみに、現在被災地エリアの高速は無料!(3月末まで)
みなさん有効に使って現地でお金を使って被災地を盛り上げましょう!


川内村を降りて行くときにみつけた風力発電


鶴ヶ城からの景色(会津は盆地なためか底冷えして寒い)

(つづく)

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Posted by たれ. at 2012年02月03日22:19

いわきのフィリピンパブ(2012福島-栄村の旅)

いわきでの宿泊は夕食無しのプランだったので、タクシーで繁華街へと向かった。

酒のうまそうな雰囲気の飲み屋を見つけて入る。

客は他におらず、カウンターに座り酒とつまみを頼む。

カウンター越しに親父に、ちょろちょろと話かけたが話が弾まない。

こちらの人はシャイなのか?それともオレがきらわれているのか?

突然の一見さんだったので、原発関係者と思われた可能性はある。

そのうち、常連の客が一人二人と入って来てオレの横のカウンターに陣取った。

親父と常連さんたちとの話は弾んでいた。

内容的には、「あんたのところは補償金がいくらもらえる、もらえない」というようなリアル福島な会話だったが。。。

しばらく聞き耳をたてながら飲んでいたが、話にも加われず、腹も満たされたので出ることにした。


その店で飲んだ福島の地酒「飛露喜(ひろき)」はなかなかウマかった。


店を出たは良いが、ちょっと飲み足りないし話足りない。

そこで、その辺のスナックでもと探してみると、1軒のフィリピンパブが目に入った。

店先に「90分飲み放題5,000円」と、わかりやすく提示されていたところが気に入って入ることにした。

店に入ると1人のフィリピーナのおっさんが寄って来て、「あなた、初めてですか?ホントに?英語話せるよね?」と矢継ぎ早に聞いてくる。

オレが「初めてだよ。First time. 英語は少しは話せるけど。」と言うと、以後の会話は8割が英語となった。

おっさんが言うには、先月にオレとそっくりの客がこの店に飲みに来たらしく、その人は英語も話せたらしい。
だからしつこく、「初めてか?」とか、「英語話せるよね?」という質問になったらしいのだ。
世の中には自分とそっくりな人間が3人いると言うが、そんなにそっくりなら一度合ってみたいものである。

おっさんは、一人のホステスを呼んでオレにつけ、自分も横に座り3人での会話となった。

この時点でこの店の客はオレ一人。

このおっさん、実はこの店の「ママ」なのだそうだ。(@_@)
で、このママ(おっさん)の話が実に面白い。

といっても、内容的には別に大したことではなく、

「この日、東京でも雪が降って期待していたのに、浜通りでは全然雪が降らなかった」とか、
(福島は東北だが、浜通りでは雪が年に2,3回しか降らないので珍しいらしい。)
「震災のときは津波で1階がほぼ水につかって大変だった」とか、
「フィリピンを旅するなら、どこが良い」とか「危ない」とか、

そんな話なんだけど、話の振り方もうまく、こちらを飽きさせない。

そのうち、別の客もちらほらと現れた。

そうするとママは、別の客のところに行き話しを盛り上げ、しばらくするとまた別の客、そしてまたオレのところに戻ってきて、話の盛り上げるのだ。
単純にホステスをあてがうだけでなく、自分で話を盛り上げて回るところがなかなか職人芸である。

オレについたホステスの子が言うには、このママ、もう20年もここで店をやっていて、名物なのだという。
で、実はフィリピンに奥さんが居て、毎晩yahooメッセンジャーでテレビ電話をするほどの愛妻家らしい。

陽気に楽しませてくれる中で、地震があって津波があって原発問題があってもなおこの地に留まって、家族のために働いているであろう彼の姿に、少なからず尊敬の念を抱いたのであった。


ママとホステス

今年は海外に旅立つことはできなかったのだが、福島でちょっとだけ東南アジアの雰囲気を味わうことができた。

これもまた楽し。

(つづく)


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Posted by たれ. at 2012年02月03日00:43

いわきの旅館事情(2012福島-栄村の旅)

夕方近く、予約を入れた温泉旅館へと向かった。

実は、この辺の温泉旅館を予約しようとすると平日予約は一杯で予約できないところも多い。ところが、休日は意外と空いている。

女将さんに聞いてみると、今宿泊で入っているお客さんはほとんどがビジネスで来ている人とのこと。

企業が復興関連の仕事でまとまった予約を入れるため、平日は予約で一杯になるのだ。

ならば旅館関係は潤っているのかと思えばそうでもないらしい。

企業は10人20人の単位で10日や2週間など長期で予約を入れてくれるが、フルでそれだけ居ることはまずない。
作業工程がオーバーしても良いように余分に予約しておくのだ。
だから、大抵は予約通り宿泊することは無くそれ前に帰ってしまうことがほとんどで、予約が一杯の割りには部屋は空きがあることが多い。
また、場合によっては直前で20人単位のキャンセルがあることもあるのだという。

ビジネスライクと言えばそれまでだが、旅行客がほとんどない中、旅館もどうしてもビジネスのお客さんをとっていかねばならず、企業としても若干その辺の足元を見ている部分はあるのだろう。

今回宿泊の旅館。

神白温泉 国元屋

いわゆる「ひなびた温泉旅館」的雰囲気があり、味がある。



小名浜の繁華街からは離れているが、行こうと思えばタクシーで片道1500円弱で行ける。
元々、いわきの新鮮な海鮮料理が好評の宿であったが、今はそれができなくて残念がっていた。

女将さんの「観光で来られたんですか?」の問いに「はい」と答えると、
「最近たまにそういうお客さんが来られるようになりました。そいう風に言ってくれるお客さんがいると正直少しだけほっとします。」
と言っていた。

原発問題の奥深さを感じると共に、早くここに観光客が戻ってくれるといいなと思った。
がんばって欲しいな。

(つづく)


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Posted by たれ. at 2012年02月01日20:00

復活した水族館(2012福島-栄村の旅)

いわき市にある「アクアマリンふくしま」という水族館をご存知だろうか。

名前を知らなくても、震災のときに被災し生き残った魚や海獣類を他の水族館に預かってもらっていた水族館と言えば、思いだす人もいるかもしれない。

その「アクアマリンふくしま」が復活しているということで、行ってみた。

建物周辺は工事中のところもあるものの、建物自体や展示物は完全復活しております。



ゴマフアザラシの子供。避難先の鴨川シーワールドで生まれ、帰って来た。








オオカミウオも、、、


ドヤがお^^;


同じいわき市内にあるスパリゾートハワイアンズも完全復活するので、セットで楽しんでみるのも良いと思いますよ。

(つづく)


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Posted by たれ. at 2012年02月01日11:23

いわき市のいちご(2012福島-栄村の旅)

国道を離れ、ローカルな道を走らせて行くと、その周りは田んぼだとか畑だとか。

「ここの農作物はどうなっちまったんだろうな。」などと考えながら車を走らせていると、そこに「いちご直売」の看板がかかった1軒の農家があった。

そこは普通の農家の家で、おばあさんが店番をしていた。

「津波どうでした?」と聞くと、その辺は海沿いに松林があったおかげで、かなり助かったとのこと。
それでも、この農家のハウスがあるすぐ下まで津波が来て、この家のハウスは助かったが、その下にあった別の農家のハウスは流されてしまったしまったらしい。

こだわって作っているイチゴ(とちおとめ)は、以前は京都の料亭からも注文があったが、震災以降は原発の影響でキャンセルになってしまったとのこと。

ここのイチゴ、甘くておいしい。

4パック買って自宅に郵送してもらうことにした。

実は、今回の旅では、車の中にりんご(サンふじ)を40Kほど積み込んでいた。

レジ袋に小分けしたりんごを「これ食べてくださいな」と渡すと、おばあさんはとても喜んで、「じゃぁ、これは車の中で食べてね。」と別にイチゴをひとパックいただいたのだった。



後日送られてきたイチゴの中には、おばあさんからの手紙も入っていた。



(つづく)


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Posted by たれ. at 2012年01月31日22:22

津波の爪痕(2012福島-栄村の旅)

福島県のいわき市に入ってから、特に予定を決めてなかったオレは、海沿いを走る国道6号線を南相馬方面に走らせることにした。

警戒区域までそうは遠くないはずだが、国道沿いを走る限りは案外普通に見える。

国道6号線は比較的まっすぐなところが多く、ドライブしていても気持ちが良い。

CDから流れるジャックジョンソンが良く似合う。

そう言えばこの辺りにある「スパリゾートハワイアンズ(きづなリゾート)」も近く完全復活するそうな。


と、そんなことを考えつつ車を走らせるも、結局警戒区域手前で引き返すことになるので、適当なところでUターンすることにした。

ちょうど良いところに「道の駅」の看板が出ていたので、Uターンしようと道の駅に入ったら・・・そこに道の駅はなかった。

代わりにあったもの。





一体どうすればこうなるのか。

帰り道、国道6号をはずれ、更に海沿いの道へと出てみた。

すると、、、




そこにはまだまだ忘れてはいけない津波の爪痕が残っている。

(つづく)


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Posted by たれ. at 2012年01月31日21:37

出発(2012福島-栄村の旅)

1/24(火) 4:00am、福島-栄村の旅へと出発。

いつもならばこの時期、10日ほどかけて海外へと旅立つのだが、今年は事前に予定が組めず、海外はあきらめ、数日かけての国内の旅に切り替えたのだ。

車で福島のいわき市に入り、そこから福島を横断。新潟に出て栄村に入るルート。

にもつは前日に車に突っ込んでおいた。

実はこの日、関東地方でも雪の予報。

親からは「こんな(雪の多いような)日にわざわざ行かなくても・・・」とあきれられたが、オレ的にはそういうシチュエーションがむしろ楽しかったりする。

朝起きて交通情報を見ると、雪のため首都圏は避けた方が無難そうだったので、上信越道から北関東道に出て常磐道と、長野から群馬、栃木、いばらぎを通るルートを選んだ。

結果として、このルートが正解で、8時ごろにはいばらぎの北端近くまで行くことができた。

ちなみにこの日、首都圏では数センチの雪が降り、首都圏の道路状況は最悪だったようだ。

ということで、しばらくの間、今回の旅のお話を書いていこうと思います。


朝8:00前に日立中央PAに到着


朝から「アンコウのから揚げ丼」(北いばらぎからいわきにかけて、アンコウが名物らしい)


海ぃ!

昨年は海が原因で色々とあったので不謹慎と言われるかもしれないが、海なし県の長野から来た人間にとっては海を見るとついついテンションが上がってしまうのである。

(つづく)


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Posted by たれ. at 2012年01月29日00:09