実は、この辺の温泉旅館を予約しようとすると平日予約は一杯で予約できないところも多い。ところが、休日は意外と空いている。
女将さんに聞いてみると、今宿泊で入っているお客さんはほとんどがビジネスで来ている人とのこと。
企業が復興関連の仕事でまとまった予約を入れるため、平日は予約で一杯になるのだ。
ならば旅館関係は潤っているのかと思えばそうでもないらしい。
企業は10人20人の単位で10日や2週間など長期で予約を入れてくれるが、フルでそれだけ居ることはまずない。
作業工程がオーバーしても良いように余分に予約しておくのだ。
だから、大抵は予約通り宿泊することは無くそれ前に帰ってしまうことがほとんどで、予約が一杯の割りには部屋は空きがあることが多い。
また、場合によっては直前で20人単位のキャンセルがあることもあるのだという。
ビジネスライクと言えばそれまでだが、旅行客がほとんどない中、旅館もどうしてもビジネスのお客さんをとっていかねばならず、企業としても若干その辺の足元を見ている部分はあるのだろう。
今回宿泊の旅館。

神白温泉 国元屋
いわゆる「ひなびた温泉旅館」的雰囲気があり、味がある。


小名浜の繁華街からは離れているが、行こうと思えばタクシーで片道1500円弱で行ける。
元々、いわきの新鮮な海鮮料理が好評の宿であったが、今はそれができなくて残念がっていた。
女将さんの「観光で来られたんですか?」の問いに「はい」と答えると、
「最近たまにそういうお客さんが来られるようになりました。そいう風に言ってくれるお客さんがいると正直少しだけほっとします。」
と言っていた。
原発問題の奥深さを感じると共に、早くここに観光客が戻ってくれるといいなと思った。
がんばって欲しいな。
(つづく)
